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ドラゴンクエスト5 総評


 RPGというジャンルは、基本的に、「空間」に重点が置かれる。冒険が進むにつれ、行動可能な範囲が広がっていく。それが、大きな醍醐味。

 本作では、思い切って、「時間」にもスポットを当てている。発生する出来事や、世界の様子の変化が、重要なファクターを占めている。
 そして、主人公の行動も、期間ごとに制約を受ける。自由度はやや損なわれるが、その分リアル感があって、かなりワクワクできた。

 また、本作では、モンスターを仲間にするシステムが登場。仲間モンスターが増えたら、預り所に預けることもできる。新しいパーティ編成の形。
 そもそも、過去作では、モンスターはひたすら悪であった。彼等を仲間にするという発想自体、当時は斬新。
 ドラクエ5といえば、必ずスライムナイトを思い出す。序盤から長らく、パーティメンバーとして活躍。半ば、人間のキャラクターとして見ていた。


 本作は、シリーズの中でも、個性の強い作品。斬新な意欲作、という言葉がよく当てはまる。

 一番の特徴は、ストーリー性にある。
本作は、成長と郷愁の物語。そして、大きな運命というモチーフ。しばしば、映画を見ている感覚になる。
 主要キャラだけでなく、町の人々にもスポットが当たる。それぞれに、しっかり描写が存在する。期間ごと、台詞が変わったりした。
 他には、王家の争いとか、「光の教団」信仰など、人間の様々な所業が描かれる。これも、本作のストーリーを彩っている。




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