ドラクエ振り返り>
1986年/FC
記念すべき第一作。RPGのクラシック作品。
主人公は、伝説の勇者の子孫。ラスボスは、悪の親玉竜王。明快で分かりやすい。
本作は終始、RPGの基本に忠実。シンプルだが、十分作り込まれている。
また、特徴として、行動の自由さが挙げられる。地理的には、早い段階で遠くに行ける。しかし、橋を渡るごと、強い敵が出現する。(初プレイだと、うっかり危険地域に行ってしまう。)
そのため、少しずつレベルを上げ、行動範囲を広げていく必要がある。この地道な努力が楽しい。
また、戦闘は常に一対一。本作の大きな特質である。
当然、「モンスターたちは何故、いつも一体で戦いを挑むのか」という疑問が生じる。竜王の指令なのだろうか。だとしたら、竜王は、正々堂々にこだわるタイプなのか。(もしくは、群れるという行為を嫌っているのか。)
強敵を相手にする際は、呪文の使いどころが鍵となる。ラリホーやマホトーンに賭けるか、それとも速攻で倒すか、随時に決断を迫られる。一対一の戦闘でも、決して単調にはならない。回復のタイミングも重要。
本作は、他にもう一つ特質がある。洞窟内では、常に明かりが必要となる。(シリーズの中で本作のみ。)道具「たいまつ」、もしくは呪文「レミーラ」を使って探索。前者はごく周辺しか照らせず、後者も画面全体は照らせない。
これは、本作にしかない味わい、と言える。
1987年/FC
前作は、RPGの原点に則した作品。本作は、本格派RPGに進化している。
本作では、3人パーティになり、船も登場した。冒険の舞台は、前作と同一の世界だが、より広大な地域を対象とする。(時代は、前作から百年後。)
主人公と仲間二人は、いずれも、前作の主人公の子孫。(遠い親戚同士。)三者三様の個性があり、多様なパーティプレイができる。後の作品に比べると、色々シンプルだが、大きな不足はない。
本作の特徴としては、フィールドが込み入っており、探索に時間がかかる。また、ダンジョンは、洞窟より塔が目立つ。一方、海上には、重要な小島が散在。総じて、地上に重点がある。
難易度は、基本的に高め。まず、ゲーム進行のためのヒントが、簡単には得られない。住人の話を念入りに聞く必要があり、それでもなお、難しい部分が残る。加えて、強い敵が多い。序盤から終盤まで、要注意なモンスターが出現する。
あと、FC版は、「復活の呪文」(パスワード)が少し手間。それは否めない。
敵のボスは、神官のハーゴン。神殿を根城とし、邪教の教団を率いている。本作に登場するモンスターは、その教団の構成員である。
ハーゴンがどんな思想、信念を持っているのか、ゲーム内で詳しく語られない。しかし、独特の個性を持つボスなのは間違いない。
本作は、第二作にして、かなり完成度がある。冒険の舞台、ゲームの進め方、登場キャラ。いずれも十分な作り。(シビアな面はあるが。)
次回作のドラクエ3は、発売前から大きな期待が寄せられた。それだけ、本作に人気があったことになる。
なお、SFC版では、サマルトリアの王子の装備品が増加。また、ベギラマの威力が、かなり強化された。(ベギラマは、サマルトリアの王子が習得。)
1988年/FC
シリーズ屈指の話題作。RPGの面白さが詰め込まれた作品。最初から最後まで、とにかく飽きない。難易度もちょうどいい。
本作は、まず、キャラメイキングができる。プレイヤは、仲間3人を自由に作成可能。オーソドックスな職の他、「武闘家」という個性的な戦闘職あり。他に、「商人」、「遊び人」。
パーティ編成によって、戦闘での戦法や、買い物の仕方に違いが生じる。どういうパーティにするか、最初にじっくり考える必要がある。また、ゲーム中盤になると、転職システムを利用可。(条件を満たせば、「賢者」(呪文を全て覚え、物理戦闘もこなす)も選択できる。)
そしてクリア後、まだ飽き足らず、何度も周回プレイしたくなる。新たなパーティで始める度、異なった様相が現れ、新鮮な感覚を味わえる。
なお、のちのドラクエ作品に比べ、明確なキャラ設定はない。キャラが独自の言動を取ることはない。その分、プレイヤは己の主体性のまま、自在にパーティを操っている感覚になる。純粋に冒険の旅に没頭でき、世界の広がりをそのまま感じられる。
また、本作は基本的に、行動の自由度が大きい。旅の最中、しばしば、選択に幅が生じる。多様なプレイが可能。
取り分け、船入手後は、次行くべき場所も示されない。世界は広く、攻略すべき箇所がたくさんあり、その順番はプレイヤに委ねられる。東西南北、どこに行ってもよい。この局面は、ドラクエ・シリーズの中でも、屈指の楽しさだった。
また、本作の冒険舞台は、現実の世界地図に則している。プレイしながら、世界史を感じられる。
BGMも名曲揃い。いずれも、世界観とマッチしている。中でも、ラーミア、アレフガルドの曲がよすぎる。(特にFC版。)前者は透明感、後者は哀愁。他にも、村の曲、祠の曲などが印象に残っている。
なお、FC版は、冒険の書が消えやすい。これさえなければ、FC版ドラクエ3は至高の作品だった。
また、SFC版では、武具がいくつか追加。「盗賊」という職も登場。プレイの仕方に、更に幅ができた。(但し、FC版の方が、ゲームバランスは絶妙。)
1990年/FC
本作は、全五章で構成される。過去作に比べ、ストーリー性を重視。シリーズの新境地と言える。
それぞれの章は、主人公が異なる。一章~四章の主人公は、まだ己の使命を知らない。ただ、目の前の問題を解決するために、それぞれ旅に出発する。しかし彼等は、大きな運命に導かれるが如く、やがて一人の「勇者」の元に集結する。
こういうストーリー構造は、シリーズの中でも唯一。個性が際立っている。
第五章は、最初は「勇者」の一人旅。そして、世界の各地には、以前の操作キャラたちがいる。彼等と対面するのが、なかなか楽しかった。かつて主体だった者たちが、新しい主人公によって客体視。こういう視点の転換は、ゲーム作品ではそうそうない。
また、本作では、馬車が初登場。画期的な戦闘システム。これは、(移動中だけでなく)戦闘時にメンバーを入れ替えできるというもの。
因みに、FC版では、入れ替わりに1ターン要する。リメイク版や、次回作以降では即時。
他にも、AIシステムが登場した。第五章の戦闘時、仲間の行動をAIに委任する。プレイヤは方針のみを決定。(自分は、「じゅもんをせつやく」をよく使った。)
FC版では、このAIシステムは、使用強制。(プレイヤは、主人公以外には命令できない。)しかも、FC版のAIは、結構ちぐはぐな行動を取る。(特にクリフト。)そのため、FC版のドラクエ4は、独特の味わいあり。
ドラクエ5~8 ドラクエ9~11
ドラクエ振り返り>
まとめ(ドラクエ1~4)
ドラゴンクエスト1
記念すべき第一作。RPGのクラシック作品。
主人公は、伝説の勇者の子孫。ラスボスは、悪の親玉竜王。明快で分かりやすい。
本作は終始、RPGの基本に忠実。シンプルだが、十分作り込まれている。
また、特徴として、行動の自由さが挙げられる。地理的には、早い段階で遠くに行ける。しかし、橋を渡るごと、強い敵が出現する。(初プレイだと、うっかり危険地域に行ってしまう。)
そのため、少しずつレベルを上げ、行動範囲を広げていく必要がある。この地道な努力が楽しい。
また、戦闘は常に一対一。本作の大きな特質である。
当然、「モンスターたちは何故、いつも一体で戦いを挑むのか」という疑問が生じる。竜王の指令なのだろうか。だとしたら、竜王は、正々堂々にこだわるタイプなのか。(もしくは、群れるという行為を嫌っているのか。)
強敵を相手にする際は、呪文の使いどころが鍵となる。ラリホーやマホトーンに賭けるか、それとも速攻で倒すか、随時に決断を迫られる。一対一の戦闘でも、決して単調にはならない。回復のタイミングも重要。
本作は、他にもう一つ特質がある。洞窟内では、常に明かりが必要となる。(シリーズの中で本作のみ。)道具「たいまつ」、もしくは呪文「レミーラ」を使って探索。前者はごく周辺しか照らせず、後者も画面全体は照らせない。
これは、本作にしかない味わい、と言える。
ドラゴンクエスト2
前作は、RPGの原点に則した作品。本作は、本格派RPGに進化している。
本作では、3人パーティになり、船も登場した。冒険の舞台は、前作と同一の世界だが、より広大な地域を対象とする。(時代は、前作から百年後。)
主人公と仲間二人は、いずれも、前作の主人公の子孫。(遠い親戚同士。)三者三様の個性があり、多様なパーティプレイができる。後の作品に比べると、色々シンプルだが、大きな不足はない。
本作の特徴としては、フィールドが込み入っており、探索に時間がかかる。また、ダンジョンは、洞窟より塔が目立つ。一方、海上には、重要な小島が散在。総じて、地上に重点がある。
難易度は、基本的に高め。まず、ゲーム進行のためのヒントが、簡単には得られない。住人の話を念入りに聞く必要があり、それでもなお、難しい部分が残る。加えて、強い敵が多い。序盤から終盤まで、要注意なモンスターが出現する。
あと、FC版は、「復活の呪文」(パスワード)が少し手間。それは否めない。
敵のボスは、神官のハーゴン。神殿を根城とし、邪教の教団を率いている。本作に登場するモンスターは、その教団の構成員である。
ハーゴンがどんな思想、信念を持っているのか、ゲーム内で詳しく語られない。しかし、独特の個性を持つボスなのは間違いない。
本作は、第二作にして、かなり完成度がある。冒険の舞台、ゲームの進め方、登場キャラ。いずれも十分な作り。(シビアな面はあるが。)
次回作のドラクエ3は、発売前から大きな期待が寄せられた。それだけ、本作に人気があったことになる。
なお、SFC版では、サマルトリアの王子の装備品が増加。また、ベギラマの威力が、かなり強化された。(ベギラマは、サマルトリアの王子が習得。)
ドラゴンクエスト3
シリーズ屈指の話題作。RPGの面白さが詰め込まれた作品。最初から最後まで、とにかく飽きない。難易度もちょうどいい。
本作は、まず、キャラメイキングができる。プレイヤは、仲間3人を自由に作成可能。オーソドックスな職の他、「武闘家」という個性的な戦闘職あり。他に、「商人」、「遊び人」。
パーティ編成によって、戦闘での戦法や、買い物の仕方に違いが生じる。どういうパーティにするか、最初にじっくり考える必要がある。また、ゲーム中盤になると、転職システムを利用可。(条件を満たせば、「賢者」(呪文を全て覚え、物理戦闘もこなす)も選択できる。)
そしてクリア後、まだ飽き足らず、何度も周回プレイしたくなる。新たなパーティで始める度、異なった様相が現れ、新鮮な感覚を味わえる。
なお、のちのドラクエ作品に比べ、明確なキャラ設定はない。キャラが独自の言動を取ることはない。その分、プレイヤは己の主体性のまま、自在にパーティを操っている感覚になる。純粋に冒険の旅に没頭でき、世界の広がりをそのまま感じられる。
また、本作は基本的に、行動の自由度が大きい。旅の最中、しばしば、選択に幅が生じる。多様なプレイが可能。
取り分け、船入手後は、次行くべき場所も示されない。世界は広く、攻略すべき箇所がたくさんあり、その順番はプレイヤに委ねられる。東西南北、どこに行ってもよい。この局面は、ドラクエ・シリーズの中でも、屈指の楽しさだった。
また、本作の冒険舞台は、現実の世界地図に則している。プレイしながら、世界史を感じられる。
BGMも名曲揃い。いずれも、世界観とマッチしている。中でも、ラーミア、アレフガルドの曲がよすぎる。(特にFC版。)前者は透明感、後者は哀愁。他にも、村の曲、祠の曲などが印象に残っている。
なお、FC版は、冒険の書が消えやすい。これさえなければ、FC版ドラクエ3は至高の作品だった。
また、SFC版では、武具がいくつか追加。「盗賊」という職も登場。プレイの仕方に、更に幅ができた。(但し、FC版の方が、ゲームバランスは絶妙。)
ドラゴンクエスト4
本作は、全五章で構成される。過去作に比べ、ストーリー性を重視。シリーズの新境地と言える。
それぞれの章は、主人公が異なる。一章~四章の主人公は、まだ己の使命を知らない。ただ、目の前の問題を解決するために、それぞれ旅に出発する。しかし彼等は、大きな運命に導かれるが如く、やがて一人の「勇者」の元に集結する。
こういうストーリー構造は、シリーズの中でも唯一。個性が際立っている。
第五章は、最初は「勇者」の一人旅。そして、世界の各地には、以前の操作キャラたちがいる。彼等と対面するのが、なかなか楽しかった。かつて主体だった者たちが、新しい主人公によって客体視。こういう視点の転換は、ゲーム作品ではそうそうない。
また、本作では、馬車が初登場。画期的な戦闘システム。これは、(移動中だけでなく)戦闘時にメンバーを入れ替えできるというもの。
因みに、FC版では、入れ替わりに1ターン要する。リメイク版や、次回作以降では即時。
他にも、AIシステムが登場した。第五章の戦闘時、仲間の行動をAIに委任する。プレイヤは方針のみを決定。(自分は、「じゅもんをせつやく」をよく使った。)
FC版では、このAIシステムは、使用強制。(プレイヤは、主人公以外には命令できない。)しかも、FC版のAIは、結構ちぐはぐな行動を取る。(特にクリフト。)そのため、FC版のドラクエ4は、独特の味わいあり。
ドラクエ振り返り>